れっぱくの気合いはゴマ勝負の巻
黒ゴマ
点灯した白ゴマ油
ゴマの花
「気力を増し筋骨をかたくするゴマ」
食物の小さな巨人・黒ゴマ。耳や目をはっきりして、大小腸の働きをよくするとも言われています。とにかく毎日食べることによって、骨や歯を丈夫にし、格闘技に必要な体をつくるのに役立たせていたことは間違いありません。また良質の油分は、冬でも凍らず、燈にともすと風に揺らがず、すすも少ない燃料となります。

「黒ゴマは花や葉も利用した」
黒ゴマは茎の高いものは3、4尺(しゃく)もあります。葉は青襄(せいじょう)とよび苗が出るのをまって採り食用にしたり、その汁を婦人の髪すきに使用しました。花はイボを治す薬とし、油はご存じのように食物を炒めるのに使いました。十分に煎(い)って熱いうちに抽出した香油は点燈へ。食べてよし、塗ってよし、くべてもよい万能の植物がゴマだったのです。