煙の末 6
健康法(導引術)
手足の先、耳刺激/疲労回復に効果
忍者は健康を保つため足の親指を回すなどの導引術を使った
腹部は針でツボを刺す
テレビ番組を見ていると、健康をテ−マにしたコーナがよくある。平均寿命が延び、高齢化が進む日本では、健康への関心が高まるばかりだと言っても過言ではないだろう。厳しい修行に耐えた忍者の超人的な働きも、
人間である以上、健康が基本だ。それゆえ、忍者は人一倍健康には気を使った。忍者の健康食は他の項を参照いただいて、今回は忍者の健康法である「導引術」を紹介したい。
「導引」とは、「引導を渡す」の逆、人を生かす術だ。基本は、末端を 刺激すること。体の末端である手や足の先、耳を刺激することで、内臓の働きを高める効果があるという。
手は、指の第一関節を回すようにもむ。これが痛いようだと、どこか病んでいる証拠とされる。手のひらはクルミを二個にぎって中でぐるぐる回して刺激する。また、若い女性に手のひらをもんでもらうと、疲労回復は
もちろん、若返りの効果もあるという。
耳は両手をこすりあわせて温め、その手でよくもむ。くちやくちゃにしたり、ひっぱたりするとよい。
足は親指をよく回す。土踏まずは、指圧や青竹踏みをするといい。疲労回復に効果的だ。
体の中心である腹部は、針を用いた。針でツポを刺すわけだが、深さや場所を間違えば、逆に命取りになりかねない。それだけの知識と腕が忍者にあったということだろう。
これらは、中国から伝わった医術、漢方が基本になっている。甲賀は昔、漢方医のの多いところで、売薬も盛んだった。伊賀もその影響があったのだろう。薬は病気になってから飲むものだが、忍者は病気にならないよう、導引術で健康管理を怠らなかった。導引術は簡単にできるものが中心なので、ぜひお試しいだきたい。