忍法は五感をとぎ澄まさなければ、その術の習得は不可能です。そして視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚さらにその上の感覚−第六感の開発にも力を注いだのです。その第六感を慂現させるためには大変な集中力を要します。ですが、香の神秘的な力を借りると不思議に気を静め神経もとぎ澄まされてくることを忍者は知っていました。ただ忍者の香道と、三大芸道のひとつとしての香道とは少し違います。それは、忍者が香りをもひとつの情報だととらえていたからに他なりません。